筆者は現在、会社で人事のマネージャーをしています。今でこそ楽しく充実した日々を送れていますが、以前はブラック企業で法人営業をしていました。心身ともに疲れ切ってしまい、結局、逃げるように辞めて今の会社に転職しました。
筆者は、そのブラック企業を辞めたことで人生が一変しました。いま営業を頑張っている方にはごめんなさいなのですが、法人営業で苦しんでいた前職を辞めて本当によかったと思っています。
※筆者の過去の詳細についてはこちらの記事【ブラック企業を辞めたい人が穏便に退職する方法】に書きました。もし興味があればお読みください。
この記事では、営業を辞めてよかったという人たちの声を紹介します。いまのあなたが共感できるものがあれば、あなたは営業に向いていない可能性があります。確認してみてくださいね。
営業を辞めてよかったという声① 数字のプレッシャーから解放された
営業では数字のプレッシャーというものがどうしてもついてきますよね。数字のプレッシャーに苦しめられてきた日々、そして数字のプレッシャーから解放された喜びについての声を紹介します。
朝礼という名の吊し上げがいつもあった。電車遅延を心から望んでいる自分がいた。
「テレアポから流れてくるアポによって成約取れるかどうかがほぼほぼ決まってる。ようはテレアポの女たちとどれだけ仲良くなれるかが重要。」なんていう頭悪そうなアドバイスをドヤ顔でしていた先輩社員が営業リーダーになった。言われてみればこの先輩はテレアポたちに手を出しまくってると社内で噂になってた。営業目標のプレッシャーからか、このアホな先輩社員みたくテレアポに手を出そうと考えるようになった自分の危うさに気づいて、営業辞めるのを決意した。
誰一人達成できないような目標を掲げて、常時ぶち切れている課長ってなんだったんだろう。明らかにお前の目標設定が間違っていたんだが。
営業みたいなノルマ仕事から離れてみて、仕事にやり甲斐を感じられる場面があることを初めて知った。
毎日怒られるよりも、月末に1回怒られる方がまだましと考えて、日々の営業進捗をごまかして報告してた。締めの月末が近づくにつれて胃が悲鳴を上げてた。
毎週月曜の営業会議が死ぬほど苦痛だった。前週の営業報告を午前中の3時間かけてやり続けることの苦しさといったら、今思い出しても吐き気がする。毎回のように泣いていた女性社員がいたし、新人や中途の人は会議の異様な雰囲気に青ざめていたな。こんな拷問のような会議がなくなっただけでも、営業をやめてよかったと思ってる。
営業を辞めてよかったという声② 顧客に嘘をつく必要がなくなった
自社の商品・サービスを売るために、お客様に対して誇張や嘘を交えた営業をするケースもあるようです。このような行為に対する罪悪感や自己嫌悪感についての声を紹介します。
明らかに劣悪な商品を口八丁手八丁で売りつけるのが正義という風潮だったけど、それってほとんど詐欺ですよね。早めに足を洗ってよかった。
前の会社は営業とサポートが分かれていて、営業は無理くり売ってくればよかった。購入者たちに対する申し訳ないという気持ちは微塵もなく、あとはサポートよろしくと丸投げしてた。いまなら自分の心が腐ってたことがわかる。
自社サービスの良さを研修で教わって営業にいそしんでいましたが、経験を積むにつれて、自社サービスのクオリティの低さに愕然とした覚えがあります。初期研修は、自社サービスを正当化するための洗脳だったのだと気付きました。企画職に転職をした今、そのような営業行為をせずにすむことに心底安堵しています。
営業を辞めてよかったという声③ 面倒な付帯業務がなくなった
営業職は、営業行為だけでなく付帯業務を課されることもあるようです。付帯業務の負担に苦しめられた人たちの声を紹介します。
自分は客先に訪問して営業をするだけが仕事ではなくて、資料を作る、契約書を管理するといった業務までやらされていました。これら営業外の業務の負担が大きく、いつも持ち帰ってやっていたので、タイムカードには出てこない残業が発生していました。辞めて本当によかったです。
前の会社では、営業なのにアフターフォローまでやらされていた。クレームに近いアフターフォロー対応も多く、新規営業をかける時間が奪われてしまっていた。かといって目標が下げられることもないため、休日返上で働いていた。
法人営業だけじゃなくて、スタッフのフォローなどもやらされていたことが不満だった。インセンティブが出るからと他部署からは羨ましがられていたけれど、普通に自分の仕事に専念できる事務の子たちが羨ましくて仕方なかった。
社員200人程度の中小商社だったので、営業は何でもやらされていた。せめて営業サポートでも付けてほしかった。仕事量が多すぎてパンクして退職し、今はバイヤーとして働いている。バイヤー業に専念できるため充実した日々を送ることができている。
営業を辞めてよかったという声④ 社内での競争から解放された
営業は実績が数値で見えてくるもの。よって営業部署内で競争をさせられることが多く、このことが職場内の人間関係を悪くすることもあるようです。営業に関する社内での競争に悩まされたという声を紹介します。
前の会社では営業同士での競争が激しくてギスギスした雰囲気で疲れました。今は営業を辞めて事務をしています。社員同士で仲良く、穏やかに働けています。
相対評価の営業だったため、いかに同僚を出し抜くかということを考えていた。当然、有益な情報をシェアすることはなく、自分だけで独占して使用していた。これは私に限ったことではなく、営業の全員がやっていたと思う。
営業を辞めてよかったという声⑤ 勤務時間外に携帯が鳴らない
客先や上司からの電話が休日や深夜になることもあるという営業。プライベートな時間であっても仕事を気にせざるを得ないというのは大変なことでしょう。勤務時間外の電話やメールに苦しめられたという声を紹介します。
上司やクライアントから、時間外に電話がかかりまくっていた。深夜であろうと休日であろうとお構いなしだった。電話に出なければ翌日にキレられた。営業から転職した現在は、もちろん時間外の電話はない。営業の頃の自分がいかに社畜だったのかわかる。
営業してた頃は、夜中に顧客からLINEが頻繁に来ていました。未読スルーすると対応が悪いなどと言われるので、いちいち対応しなければなりませんでした。
営業をやめて最も良かった点は、仕事とプライベートをはっきりと分けられることです。営業をしていたときは、取引先からの電話が来るかもしれないと、休日でも会社携帯を常に持ち歩いていました。取引先とのやり取りは記録に残さなければならなかったため、休日なのに日報をつけて上司に提出するという、何のための休日かわからないような仕事でした。
営業を辞めてよかったという声⑥ スーツを着なくてよくなった
業種にもよりますが、客先に出向くことが多い営業はスーツがユニフォーム。スーツを着ることが苦痛という人は多いです。営業を辞めてスーツから解放された人たちの声を紹介します。
営業の頃はスーツを着てた。クールビズでネクタイをしなくてすんだのは助かったが、総務や販促が私服で気楽そうに働いているのがうらやましかった。
営業をやめて企画に入ったが、スーツを着なくて済むのが最高です。いまは、通勤電車内で窮屈そうにスーツを着ているサラリーマンを見ると、ごくろうさんですと思ってしまいます。
営業を辞めてよかったという声⑦ 接待やゴルフから解放された
営業は客先との関係性が大切。ということで、勤務時間外に接待やゴルフコンペなどに付き合わされるということもあるようです。接待などで疲弊した元営業社員たちの声を紹介します。
隔週でゴルフコンペがあり、担当営業として毎回参加させられてた。日曜の朝4時に家を出るとか、どんだけ鬼畜なんだと。1回、体調不良のふりをして参加辞退をしたら、翌月の発注を切られたこともあった。どんだけクソなんだと思った。
前職では毎晩のように接待に付きあわされて帰宅は2時過ぎで心も体もボロボロになって退職しました。いまは残業がほとんどない社内業務なので仕事を負担に感じることはありません。なんでもっと早く転職しなかったのかと後悔しました。
営業を辞めてよかったという声⑧ 自己嫌悪感がなくなった
営業の仕事は、過度なプレッシャーを受け続けたり、パワハラまがいの叱責を受けることもあるようです。その結果、自己嫌悪感が生まれてしまうこともあるんだとか。営業によって自己嫌悪に落ちいてしまった人たちの声を紹介します。
営業時代は自分のことが嫌で仕方なかった。常に上司の顔色を伺って、同僚とは愚痴を言い合って、ノルマを達成できない言い訳ばかり考えてた。前の会社を退職して、Webエンジニアに転職した。実力不足で苦しいこともあるが、頑張りが自分の血となり肉となる。将来を作る礎になる。だから前向きに頑張ることができる。前のように自分を嫌になることがなくなったし、自分の人生を肯定的に考えられるようになったことは大きなプラスだと思っている。
営業を辞めてよかったという声⑨ 知識・スキルの向上が実感できる
営業をすることで、知識やスキルの向上を実感できないことがあるようです。そんな営業に対する否定的な声を紹介します。
私が営業の仕事をしていたことに対して一番後悔しているのは、大したスキルが身につかなかったということです。商品知識、プレゼン力、折衝力などはそこそこつくかもしれませんが、なにも営業でなければ身につかないスキルというほどでもありませんでした。転職して商品企画に携わっていますが、スキルの向上が仕事に直結しているため、モチベーション高く自己啓発含めスキルアップを図れています。
ノリや口のうまさでどうにかなる営業よりも、手に職をつけられる技術職に転職しました。自分の価値を高めておかないとこれからの時代は厳しいと思いますし、営業を続けても価値は上がらないと思います。
営業を辞めてよかったという声⑩ 家族との関係が良くなった
営業によって心身ともに疲弊することで、家族との関係が悪化することがあるようです。営業の仕事を辞めて、家族との関係が良くなったという声を紹介します。
以前は営業ノルマに対するストレスで家庭内での会話はほぼなかった。そればかりか、いつも苛ついていて家族に当たることもあった。営業をやめてからは心にゆとりができた。
新卒で人材派遣の新規営業をしていました。アポもなかなか取れず、取れても競合大手に負けてばかりでした。マネージャーに怒られて会社で何度も泣きました。その時付き合っていた彼氏には仕事の愚痴ばかりこぼしていて、最終的には「一緒にいても楽しくない」と言われ別れました。このままでは死ぬしかないと思い、アパレルメーカーの事務に転職しました。新規営業とはまったく違うのんびりした仕事で、怒られるようなこともなく、気持ちがとても安定しています。新しい人もできて、優しい気持ちで接することができています。新規営業から事務に転職して、本当によかったと思っています。
営業の頃は自分に余裕がなかった。対人の仕事は向いていなかったらしい。データが相手の今は、ゆとりをもって働けている。休日は積極的に家族サービスをするぐらいになれた。
営業をやめてよかったという声⑪ 毎月の給料が安定した
営業は歩合制の給与体制の場合が多いです。そのぶん、基本給が低く設定されていることも。よって、営業の給与は安定しないばかりか、数字が悪ければ致命的な収入減になることも。そんな営業の給与に対する不安と、営業を辞めて安定した給与を得られるようになった安心の声を紹介します。
基本給は20万しかなく、稼ぎたかったら歩合で稼げという会社だった。収入が不安定すぎて気が休まることがなかった。転職したときは、動くことのない基本給を重視した。その結果、営業ではなく企画の仕事をしている。以前のように歩合を気にして精神が不安定になることがない。
営業でインセンティブが高い会社はブラックだと聞いていたが、前職がそのとおりだった。一度、多額のインセンティブを獲得すると、翌月からはインセンティブ獲得の基準が引き上がるというブラックぶりを発揮してくれた。有能な営業マンが毎月のようにやめていき、それを補いように未熟な新人が入ってくるという繰り返しだった。あんなブラック企業で、1年半も続いた自分を褒めてあげたい。インセンティブではなく、安定的にもらえる固定給が重要だと身を持って知った。
まとめ|営業を辞めてよかったという人たちの声
いかがだったでしょうか? 営業を辞めてよかったという彼らの声に共感できるものはあったでしょうか。
あったとすれば、あなたは今の営業の仕事にかなり追い込まれてしまっているのかもしれません。そして、その状態のままでは、あなたの心身はとても大きなダメージを受けてしまいます。そうならないようにも、本当に営業の仕事が合っているのか、よく考えてみてください。
営業の仕事から逃げ出した結果、楽しい今を手に入れることができた筆者からのお願いでした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう。