シマウマ

社長のパワハラが酷い。仕事のこともわからないくせに口出しをしてきて現場を混乱させる。残業代が払われないことなんて当たり前。残業代を申請した同僚は、指示していないのに勝手に働いたお前が悪いと社長から言われ、逆に減給処分されてた。社員100人未満の中小企業なんて、どこもこんなものなのかな。

パワハラ社長の下で働くことはとても大変です。単なる上司のパワハラであれば改善の余地はありますが、社長自身がパワハラをしているとなるとどうしようもないからです。特に中小企業では、社長=会社みたいなものですから。

この記事では、社長がなぜパワハラをするのかをまずは解説。そのうえで、パワハラ社長に対する効果的な対処法や仕返しの仕方などを紹介します。

あなたが今、パワハラ社長に苦しめられているのであれば、お役に立てる情報ですよ。

パワハラ社長に苦しめられている人たちの声

パワハラ社長に苦しめられている人たちはたくさんいます。そんな彼らの声を、Twitterから引用しました。

あなたも彼らと同じような状況でしょうか。そうであれば我慢し続けている場合じゃありません。すぐに対処しましょう。

それはパワハラ?パワハラチェックリストで確認

まずは、あなたが本当に社長からパワハラを受けているのか確認してみましょう。厚生労働省が次のとおりパワハラチェックリストを出していますのでチェックしてください。

身体的な攻撃 殴る、蹴るなどの暴力
精神的な攻撃 人格を否定する発言をする、大人数の前で叱責されるなど
人間関係からの切り離し 自身の意に沿わない社員の仕事を外す、情報共有しない、孤立させるなど
過大な要求 勤務に直接関係のない作業をさせる、明らかに処理しきれない膨大な仕事量を押し付けるなど
過小な要求 本来のスキルより大幅に難易度の低い業務に従事させるなど
個の侵害 プライベートを詮索する、暴くなど

このように、優越的な立場を用いて業務の適正な範囲を超えて心身に苦痛を与えることがパワハラです。

あなたが社長から受けている行為は、上記のパワハラに該当していますか?

なぜ社長がパワハラをするのか

社長はなぜ、パワハラなどという愚行を行うのでしょうか。社長がパワハラをする理由を紹介します。

①会社を守ろうと考えているのは自分だけと考えている

パワハラ社長は、会社経営に対して本気です。命をかけています。なぜなら、社長=会社だからです(特に中小企業の場合)。そして、自分ほど真剣に会社のことを考えている社員はいないということも知っています。

よって、パワハラ社長は社員を信用しません。強く管理しなければサボるし、会社の業績が悪くなればすぐに転職すると思っています。

このような疑心暗鬼的な考えから、社長によるパワハラが起きてしまうのです。

②自分こそが正しいと思っている

パワハラ社長は、曲がりなりにも「社長」という肩書があります。自分自身で起業した会社であれば、そこまで大きくするための能力があったということです。出世して社長になったのであれば、社内で1番の能力があったということ。

つまり、パワハラ社長は優れた能力を持っているのです(Ⅱ世社長は除きます)。

こういった実績があるため、パワハラ社長は自分の考えや仕事のやり方に絶対の自信を持っています。そして、社員たちの働きは未熟すぎると決めつけています。社員の能力を評価していないということですね。

レベルの低い社員たちを優れた能力を持つ自分が徹底的に管理しなければならないと、パワハラ社長は考えます。その結果、行き過ぎた管理=パワハラが生じてしまっているのです。

③パワハラをしなければ社員がまともに働かないと思っている

パワハラ社長は、前述のとおり社員を信用していません。信用をしていない対象は、社員の能力だけでなくモチベーション面についても及んでいます。

怒鳴りつけないとやる気を出さない、給与カットをチラつかせないとまともに働かないと考えているのです。

④社員を単なる駒だと思っている

パワハラ社長は、社員の人格などほとんど考えていません。社員の人生や生活や守るべき家族のことなど微塵も考えていません。単なる駒と見ています。

単なる駒だから、自分の命令に従うのは当たり前。万が一、逆らったりしようものなら即クビ。抜けた駒の分はまた補充すればいい…こんな考え方です。

⑤アメとムチを使い分けていると思っている

アメとムチを上手に使い分けていると思っているパワハラ社長もいます。

  • 大勢の社員で叱責した後に、「本当は期待しているんだぞ」とフォローらしきことを耳打ちする
  • 月50時間のサービス残業を課した後、ランチ1食をおごる

こういったパワハラ社長は、パワハラ被害を受けた社員の気持ちをわかっていません。パワハラによって受けが心の傷は消えることはなく、恨みに転換していくのだということを。小粒なアメを出したところで、それらはフォローしきれるものではないということを。

⑥パワハラではなく指導・指示だと思っている

何がパワハラに該当するのかわかっておらず、指導や指示の一環だと勘違いしているパワハラ社長もいます。

中小企業では特に、パワハラ=肉体的な暴力と考えているパワハラ社長も多いです。昭和か!

いかに閉鎖的で視野の狭い社長であるのかがわかります。

⑦パワハラが悪い行為だと思っていない

パワハラが悪い行為だと思っていないパワハラ社長もいます。いわゆるジャイアンですね。

ジャイアンは、頻繁にのび太をボコボコにしますが、暴力が悪いことだという考えは見えません。善悪も被害者であるのび太の心も考えず、衝動的に暴力を奮っています。

このように、倫理観と想像力の欠如した単細胞だということです。

社長のパワハラへの効果的な対処法

ここまで、社長がパワハラをする理由を紹介しました。では、こういったパワハラ社長にはどのように対処すればいいのでしょうか。

①仕事で圧倒的な成果を挙げる

最も前向きな対処法は、仕事で圧倒的な成果を挙げることです。

パワハラ社長は、会社に貢献してくれる社員は大切にします。あなたが圧倒的な成果を挙げることで、社長の中であなたの重要度は上がり、お気に入りに昇格します。

こうなれば、社長からのパワハラはなくなり、むしろポジションや給与がアップするでしょう。

②社長に対してイエスマンであることを貫く

パワハラ社長は、自分に対して従順であることを社員に課しています。反論・反抗などしようものなら、以後は見せしめとしてより一層厳しいパワハラを仕掛けることでしょう。

よって、社長に対して徹底的にイエスマンであることは、パワハラ被害を受けないための対処法となります。社長が右といえば左も右になる。それを真顔で受け入れる。

ただし、イエスマンになるだけでは、社長のパワハラから完全に逃れられるわけではありません。社長に対して従順であることは、パワハラ社長からすれば当たり前中の当たり前だからです。

やはり、仕事で成果を挙げるなど会社に貢献している姿を示すことができなければ、社長のパワハラに怯える日々は続くでしょう。

③パワハラ社長と仲良くなってしまう

いっそのこと、社長と仲良くなってしまうという方法もあります。

仕事での成果が普通以上であり、イエスマンを貫いているという2点は前提となりますが、かなりの効果が期待できます。

社会心理学に「好意の返報性」というものがあります。好意を示せば相手も好意を示してくれるというものです。パワハラ社長に対して、好意の返報性を使うのです。

例えば、どこかに旅行に行ったのであれば社長にお土産を買う、社長に対していつも笑顔で接する、社長を飲みに誘うなどです。

社長と仲良くなれれば、あなたに対するパワハラは収まる可能性が高いです。同僚からの視線は気になるところではありますが。

④パワハラであることに気付かせる

自分がしていることがパワハラだと思っていない社長に対しては、パワハラであることを気付かせることが有効な対処法です。

例えば、パワハラ社長に聞こえる場所でセクハラについての会話をしてみる、というのがあります。もちろん、パワハラとセクハラは異なりますが、社員間でハラスメント問題に意識があるということを社長は認識するでしょう。自省する可能性があります。

また、パワハラに関するニュースについて話題にするというのも効果的ですね。

あまりやりすぎると、パワハラ社長は嫌味を言われているように感じてキレるかもしれませんから、少しずつ様子を見ながら試してみましょう。

⑤転職する

パワハラ社長への最も確実な対処法は転職です。パワハラの根源である社長から離れることができるのですから当然ですね。

後ほど詳しく説明しますが、パワハラ社長の会社で働いていても、良い結果は得られないでしょう。むしろ、人生にとって大きなマイナスになる可能性が非常に高いです。

そんなパワハラ社長などこちらから見限って、華麗に転職をして本来あるべき人生を取り戻すという考え方は自然ですね。

パワハラ社長への仕返し方法4つ

次に、パワハラ社長に対する仕返し方法を4つ紹介します。

①サービス残業代を請求する

パワハラ社長によりサービス残業をさせられていた場合は、サービス残業代を請求しましょう。流れは次のとおりです。

  1. サービス残業の証拠を集める(タイムカード、メール履歴、音声など)
  2. サービス残業代を計算する
  3. 労働基準監督署に相談する
  4. 労働基準監督署が会社に立入検査や指導をする
  5. 内容証明郵便で会社にサービス残業代を請求する

証拠がしっかりとあるかどうかが鍵です。

なお、パワハラ社長が弁護士を使って抵抗してくるかもしれません。弁護士と争うのはあなた自身です。労働基準監督署は何もしてくれません。

このように、サービス残業代をとることは、簡単なことではありません。弁護士が出てきても勝てるほどの確実な証拠を押さえておきたいところですね。

②不当解雇に対する解雇予告金を請求する

パワハラ社長により即時解雇をされた場合、解雇予告金を請求できます。

労働基準法により、会社は社員を解雇する場合は30日前の告知、あるいは30日分に相当する解雇予告金を支払わなければならないからです。

サービス残業と同様に、本来得られるはずのものを請求するのですから厳密には仕返しとはいえないかもしれませんが、それでも「仕返ししてやった感」はありますよ。

解雇予告金については、会社に対して内容証明郵便で解雇予告金を請求する旨の文書を送れば足ります。

もし、あなた一人で会社と戦うのは不安だということであれば、各都道府県の労働相談窓口に相談しましょう。「都道府県名 労働相談センター」などでネット検索すれば出てきます。

労働相談窓口は、あなたと会社との相談を仲介してくれます。結局はあなた自身で会社と戦わなければなりませんが、労働相談窓口の仲介という事実は、パワハラ社長にプレッシャーを与えることができるでしょう。

③損害賠償請求をする

社長のパワハラにより心身を病んでしまった場合は、損害賠償請求をすることができます。

この際に重要になるのが証拠です。パワハラを受けた証拠(音声、メールなど)、パワハラにより健康を害した証拠(医師の診断書など)が必要です。

これらがあれば、弁護士に相談し、会社に対して損害賠償請求をすることができます。

しかし、弁護士を利用すると数十万以上の費用がかかること、パワハラによる損害賠償額の平均が数十万程度であること、証拠が不十分であれば負けることも考えると、あまりおすすめできない仕返しではあります。

④成果を挙げた後に転職する

これが最も前向きな仕返し方法です。

仕事で成果を挙げることで会社に貢献すると、パワハラ社長はあなたを評価するでしょう。あなたに重要なポジションを任せようとするかもしれません。

しかし、後ほど説明しますが、パワハラ社長の会社で働いていても未来は真っ暗です。仮に昇進・昇格できたとしても、長い目で考えれば厳しいでしょう。辛く苦しいサラリーマン生活がずーっと続くわけです。

であれば、そんなパワハラ社長の会社など、長くいるものではありません。高い実績を挙げた後に退職して、パワハラ社長を大きく落胆させてやりましょう。

パワハラ社長の下で働くことの大きすぎるデメリット

パワハラ社長の下で働き続けることについては、次のようにとても大きなデメリットがあります。

①心身を病んでしまう

大勢の人の前で怒鳴られたり、無視をされたり、見せしめのように仕事のレベルを下げられたりということが続けば、心が壊れてしまいます。うつ病になってしまうかもしれません。

また、殴る・蹴るといった直接的な暴力行為や、過大な仕事を押し付けられるようなことが続けば、体が壊れてしまいます。

心身を病んでしまうと、人生は大きく崩れます。うつ病になれば数ヶ月から数年物長期に渡って働けなくなるかもしれませんし、体が壊れることでより深刻な病気が発症する可能性が高まります。

パワハラ社長の下で働いたばかりに、人生を棒に振るかもしれないということです。

②会社の業績が悪化してパワハラがさらに酷くなる

パワハラ社長の会社では、有能な社員は育ちづらいです。また、有能な社員を含め、退職者は非常に多いことでしょう。

このような会社の業績が良いはずがありません。仮に今は良かったとしても、それがずっと続きはしません。

会社の業績が下がると、社長からのパワハラはさらに酷くなります。パワハラが酷くなれば、社員たちはさらに辞めていきます。そうするとより一層業績が下がっていく。このような負のスパイラルが続きます。

もしあなたがパワハラ社長の下で働いていて、会社の業績が落ちてきているとすれば、沈みかけている泥船に乗っているようなものです。いち早く退散しましょう。

まとめ|パワハラ社長への対処法をただちに講じよう

あなたがパワハラ社長の下で働いているのであれば、すぐに上記の対処法を試してください。そうしないと心身を壊すなど取り返しのつかないことになりかねません。

また、パワハラ社長の下で定年まで働き続けることなど、普通の人であればできません。早めの転職も考えておくことをおすすめします。若ければ若いほど転職はラクですよ。

社長の怒声が響くような職場、社長から無視されるような職場、サービズ残業が当たり前になっているような職場などは異常ですよ。そうではないごく普通の会社はたくさんありますからね。

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