ニワトリ

職場でいじめにあっている。いじめというか、パワハラなのかな。毎日のように、朝礼で上司に怒鳴られる。人格否定も入りまくり。私よりも数字が悪い社員だっているのに、なぜか毎回私だけ。こんな上司に対して憎しみしか湧いてこない。なんとかして仕返ししてやりたいと思う。上司が泣いて土下座するような仕返しってないかな。

言うまでもなく、職場いじめは最悪です。加害者は優越感に浸り、被害者は心を病んでいく。許せません。

筆者は、会社で人事を担当しています。その関係で、産業カウンセラーの方と話す機会が結構あります。サラリーマンからの産業カウンセラーへの相談のほとんどが、職場いじめに関することだそうです。

筆者は、「仕返しなんて無駄だからやめましょう」なんていう綺麗事を言うつもりは微塵もありません。職場いじめに対する有効な仕返し方法をお伝えします。産業カウンセラーの方から聞いた仕返し方法です。

職場いじめに耐え続けていても解決はしません。むしろ、より一層いじめは酷くなっていきます。そうならないように、しっかりと仕返しをしましょう。

職場いじめにあっている人たちの声

職場いじめにあっている人たちはとても多いです。彼らの声をTwitterから引用します。

つらいでしょうね。職場いじめの加害者たち、消えてなくなればいいのに。

胸糞!職場いじめの実態!あなたのケースは?

職場いじめにはいろいろなカタチがあります。いじめのカタチによって仕返し方法が異なりますので、どのような職場いじめがあるのか、まずは確認してみましょう。

以下に載せるデータは、日本産業カウンセラー協会の「産業カウンセラーが見た職場」という資料からの引用です。

やっぱりね…よくある職場いじめの内容

職場いじめの内容 発生割合(複数選択可)
パワハラ 78.2%
人間関係の対立・悪化に起因したいじめ 58.8%
仕事のミスに対するいじめ 43.8%
セクハラ 36.4%
ノルマ未達成に対するいじめ 26.3%
身体的なこと 26.0%
モラハラ 25.4%
リストラへの圧力 25.1%
性格・容姿など個人的なことに対して 22.6%

上記データは複数回答の結果ですが、「パワハラ」「仕事にミス~」「ノルマ未達成~」「リストラ~」など、上司からのいじめが多い印象です。

「人間関係の対立~」「身体的な~」「性格・容姿~」など、同僚からのいじめと思われるものもかなりの割合です。

「上司による職場いじめ」と「同僚による職場いじめ」とでは、仕返し方法は異なります。後ほど紹介しますね。

職場いじめの形態は?

職場いじめの形態 発生割合(複数選択可)
罵る・怒鳴る・威嚇する 67.5%
無視・仲間外れ 53.7%
嫌がらせ 49.7%
侮辱・無礼な身振り 37.6%
中傷 36.7%
不快なメッセージを残す 33.1%
あてこすり 17.5%
不当解雇 14.7%
殴打など身体的暴力 7.6%
仕事で使う道具や設備の妨害 4.5%

あなたのケースはありましたか? こんな職場いじめを受けてしまっては、心が持たないですよね。

職場いじめに対する仕返し方法

上で紹介した職場いじめの実態を踏まえ、職場いじめに対する仕返し方法を紹介します。仕返しにはいろいろ考えられますが、本当に有効な仕返し方法は次の3つだけです(前述したとおり、産業カウンセラーの方にこっそり教えていただいたものです)。

  • 人事に相談する
  • 弁護士に相談する
  • 今より良い会社に転職する

それぞれ説明しますね。

①人事に相談する

まずはじめに、会社の人事に相談しましょう。

人事の仕事は、会社組織を活性化すること。これには当然、適正な状態に保つことも含まれています。職場いじめは適正な状態を損なう行為。まともな人事であれば、職場いじめの相談に対して動いてくれるはずです。

人事が動くというのは、具体的には、上司や当事者に対してヒアリングをして実態を確認したり、加害者もしくは被害者のどちらかを別部署に異動させたり、加害者の処分を提案したり等です。加害者側は相当なダメージを受けます。

ですが、加害者側の人権という厄介な問題がありますから、なかなか踏み込んだ処分ができないことが人事への相談のデメリットです。

また、いじめ加害者が上司である場合には、人事はうまく機能しないかもしれません。加害者である上司に人事が取り込まれている可能性があるからです。

よって人事への相談は、同僚からのいじめに対してにそこそこの効果が期待できる、というものです。上司からのいじめには対応できませんし、スッキリ感もそれほどありませんが、現実的な仕返し方法です。

②弁護士に相談する

人事では対応できない上司からのいじめや、人事に相談してもまともに動いてもらえなかった場合は、弁護士に相談するという手があります。

弁護士というとお金がかかるというイメージがありますが、初回相談無料の弁護士は結構多いです。「地域名 弁護士 初回無料」などのキーワードで検索すると結構出てきますのでチェックしてみましょう。

弁護士に相談することで、加害者や会社に対して損害賠償請求をすることができます。この流れは次のとおり。

  1. あなたが「いじめにあった証拠(暴言の録音、メールなど)」と「いじめによって受けた心身の被害(診断書等)」を用意する
  2. 弁護士に相談し、依頼(契約)する
  3. 弁護士が加害者や会社と交渉する
  4. 交渉で解決しなければ労働審判(裁判所での話し合い)をする
  5. 労働審判で解決しなければ訴訟する

このように、弁護士に相談することで職場いじめの加害者を徹底的に追い込むことができます。お金が取れて、加害者は会社から極めて厳しい評価を受けるでしょう。

とはいえ、弁護士に相談することは良いことばかりではありません。職場いじめに対する損害賠償額は数十万円が相場と言われています。弁護士費用もかなりかかりますから、場合によっては弁護士費用のほうが高くつくこともあります。

職場いじめの加害者に仕返しをするために、金銭的には損をしたということもありうるということ。ポイントは、職場いじめによってあなたが受けた損害の程度です。これが軽度のものであれば損害賠償額が少なく、割りに合わない仕返しになってしまうかもしれません。

③今より良い会社に転職する

最も有効な仕返し方法は、今より良い会社に転職することです。職場いじめの加害者は劣等感を抱きながら歯ぎしりをして悔しがるでしょう。良い転職は、あなたの人生にとっても大きなプラスになりますし。

もし上司による職場いじめによってかなりの時間のサービス残業をしており、その証拠があるのならば、退職後に未払い残業代を請求するというのもおもしろいですね。そんなことをされた上司は、ただではいられないでしょう。ザマーミロ。

ところで、今より良い会社に転職するというのは、簡単な話ではありません。次のように、転職に関する大きな不安を感じることでしょう。

職場いじめがない会社はどうやって探せばいいの?

職場いじめがない会社を探すことは簡単なことではありません。なぜなら、いじめは表面化しづらいからです。職場いじめを外部の人間が知ることは、ほぼないでしょう。

とはいえ、現社員・元社員の口コミ投稿を見られる【転職会議】をチェックすることで、なんとなく雰囲気はわかります。また、離職率が高い会社は職場の雰囲気が悪いということが想像できますよね。こういった情報を頼りに、ピックアップした会社が職場いじめが少なそうか判断しましょう。

転職面接での転職理由はどう言えばいい?

転職面接では、転職理由は100%質問されます。はい、100%です。

このとき、「職場いじめにあったから」という回答はNGです。職場いじめにあったあなたにはなんの問題もありませんが、悲しいことに「いじめられるなんて、性格に問題があるのかな?」と考える会社があるからです。

転職面接では、職場いじめの被害は一切伝えず、志望動機や自己PRに繋がるポジティブな転職理由を話しましょう。

そうはいっても、転職理由を考えるのは難しいですよね。そんなときは、無料で使える転職エージェントに登録してみましょう。

転職エージェントに登録すると、あなたにはキャリアアドバイザーが担当としてつきます。キャリアアドバイザーは、書類選考や面接選考の指導をしてくれます。どのような転職理由であれば内定をもらいやすいかということもアドバイスしてくれます。

さらに、求人を出している会社の内情にも精通しているので、あなたがいじめにあいづらそうな会社を紹介してくれます。

例えば、「ノルマ未達で上司からいじめを受けた」のであればノルマが厳しくない、あるいはノルマがない会社を、「複数の同僚から無視され続けた」のであれば上司の目が行き届く小規模な部署を、という具合にです。

 

転職先で職場いじめにあわないためには何に気をつけるべき?

「転職しても、また職場いじめにあうかもしれない」という不安はありませんか?

アメリカのブリティッシュコロンビア大学がいじめについて研究し、いじめにあいやすい行動を見つけました。その結果は次のとおりです。

  • 嫉妬されている
  • 反応が薄い

この2つの条件いずれも持っていると、職場いじめにあう確率が劇的に上がってしまうそうです。例えば…

  • 「異性に人気がある」かつ「引っ込み思案」
  • 「仕事ができる」かつ「他人に媚びない」
  • 「美人」かつ「おとなしい」

「嫉妬されている」ということは、それだけあなたが優秀・有能であるということ。それは本来、喜ばしいはずですから、抑えるべきではないはず。

よって、転職先では「反応が薄い」という点に気をつけてみるといいかもしれません。コミュニケーションをとるということですね。どうすればうまくコミュニケーションがとれるのかについては、次の記事にまとめましたのでよろしければ。

雰囲気の悪い職場を驚くほど居心地よくするたった1つの方法

こんなのやっても解決しない!無駄すぎる職場いじめへの対処法とは?

いかがでしたか? 職場いじめへの有効な仕返し方法は、上記のとおり「人事に相談する」「弁護士に相談する」「今より良い会社に転職する」の3つです。

この3つ以外にも、職場いじめへの対処法と言われるものはいくつもあります。ですが、はっきり言って効果は期待できないでしょう。

念のため、サラッと紹介します。

職場でいじめられたことと同じことをやり返す
  • やり返すだけでは、相手はさらに程度を増してやり返してくる。
  • 泥沼化するし、会社からはけんか両成敗されてしまうので、とるべき対処法ではない。
職場でいじめられても笑顔でいることを意識する
  • いじめ加害者に「のれんに腕押し」「ぬかに釘」的な印象をもたせて、いじめる気を萎えさせようというもの。
  • 笑顔を作る余裕なんてないし、いじめが弱まるのには時間がかかるため、とるべき対処法ではない。
仲の良い同僚に相談する
  • ストレスは多少解消するかもしれないが、その同僚が職場いじめをやめさせるよう働きかけてくれることは考えづらい。
  • 単なる愚痴こぼしで終わる可能性が高く、いじめ問題は解消されない。
職場いじめ加害者より出世してみせる!と決意する
  • 決意するのは良いことだが、出世までには時間がかかりすぎる。
  • 職場いじめは一刻も早く脱しなければ精神を病むため、とるべき対処法ではない。
職場いじめ加害者のことを本当は可哀想な人間だと憐れむ
  • たしかに職場いじめの加害者は劣等感の塊だから可哀想な人間。
  • とはいえ、それでやり過ごせるほどいじめ被害は軽いものではない。
労働組合に相談する
  • 労働組合は、団体の力で会社と戦うものであるため、個人のいじめに対してはあまり有効に機能しない。
労働局に相談する
  • 労働局は、加害者との話し合いも持つよう会社に働きかけるなど、解決の場を提示・あっせんするだけ。
  • 結局は、いじめ加害者と直接話し合うことになるため、有効な対処法とはいえない。

このように、巷で言われている多くの職場いじめ対処法は効果が薄いものばかりです。こんなのやっても職場いじめは解決しません。遠回りするのはよしましょう。

まとめ|職場いじめに対する最も有効な仕返し方法

繰り返しになりますが、職場いじめは本当に深刻です。我慢すればするほどエスカレートしていきます。ストレスは溜まりに溜まります。コップに注がれ続ける水は、いつこぼれだしてもおかしくないのです。

効果の薄いのんびりした対処法をとっている場合ではありません。「人事に相談する」「弁護士に相談する」「今より良い会社に転職する」のいずれかの仕返し方法を検討しましょう。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう。

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