
気になる転職エージェントがいくつかあるんだけど、全部に登録したほうがいいのかな? 複数の転職エージェントをうまく使いこなす方法ってあるのかな?
転職で成功したければ、転職エージェントは複数利用するべき。その理由を、当メディアに寄せられた体験談とあわせて、現役転職アドバイザーの私が紹介します。
また、複数の転職エージェントを利用することのデメリットや、賢い使い方について解説します。
※この記事は3分程度で読み終わります。3分後には、あなたは複数の転職エージェントを使う理由が明確にわかり、さらに快適に使いこなす方法が理解できているはずです。
転職エージェントを複数利用すべき3つの理由
転職エージェントを複数利用すべき理由は、次の3つです。
- 独占案件を紹介してもらえる
- 用途によって使い分けられる
- 相性の合うキャリアアドバイザーに出会える
理由1 独占案件を紹介してもらえる
転職エージェント各社には、そこでしか取り扱っていない独占求人なるものが存在します。これを紹介してもらえることは大きなメリットです。
独占求人には良い条件のものや、緊急性の高いものなど、おいしい内容の求人が目白押しです。さらには応募者も少ない傾向があるためブルーオーシャン。内定を得やすいというメリットもあるんです。
ちなみに、独占求人は企業からの信頼が厚い転職エージェントしか扱っています。つまり、大手転職エージェントに集中しているんです。具体的には次の7社。
- リクルートエージェント
- doda
- JACリクルートメント
- キャリアカーバー
- マイナビエージェント
- パソナキャリア
- ワークポート
このすべてに登録しましょうとはいいませんが、独占求人をできる限り多く紹介してもらうためにも、複数の転職エージェント理由は必須ですね。
転職サイト2つと、転職エージェントを3つ使って転職活動をしました。2か月半で3社の内定を得て、そのうち1社に転職することができました。その履歴を書いてみたいと思います。
転職サイトは、誰でも自分の意思で求人に応募することができますが競争率が非常に高い印象で、ことごとく書類で落とされました。転職活動を始めてしばらくの間は転職サイトだけを使っていましたが、これではいつまでたっても書類すら通らないと思い、少し面倒でしたが転職エージェントに登録しました。
転職エージェントは、キャリアコンサルタントから求人を紹介されて受けるかどうかを考え、受けると意思表示すれば応募できますが、これも意外と競争率が高いようです。当たり前のことですが、キャリアコンサルタントは私だけでなく他の人にも声をかけていますので。そういうキャリアコンサルタントが何人もいるのだから、転職エージェントの紹介でも競争率は何十倍だと思います。転職サイトはだめだったけど、転職エージェントもだめかと思い始めていました。
いつまでも転職活動が続くんじゃないかと心配するようになったころ、リクルートエージェントのキャリアコンサルタントから独占求人だと教えられて応募した求人が1つありました。何年にもわたってリクルートエージェントが独占している求人で、これまで何人も転職しているという話でした。日本人であれば誰もが名前を聞いたことがあるほどの大手企業でした。私の経験ではぎりぎり難しいかと思いましたが、なんと内定をもらうことができました。それからもリクルートエージェントの独占求人1つ、DODAの独占求人1つから内定をもらうことができました。
転職活動では、書類の書き方や面接など気を使わなければならいことがたくさんありましたが、内定をもらうのに一番大事なのは独占求人に応募することなのではないかと思いました。貴重な独占求人を私に紹介してくれて、内定までつなげてくれたリクルートエージェントとDODAのキャリアコンサルタントにはとても感謝しています。ありがとう。
評価:★★★★☆|年齢:31歳|職種:広告
理由2 用途によって使い分けられる
用途によって使い分けられることも、転職エージェントを複数利用すべき理由です。
各転職エージェントのサービス内容や得意分野が若干異なっているため、複数利用することでそれらを補完することができるからです。
ちなみに、大手転職エージェントのサービス内容・得意分野は次のようになっています。
- リクルートエージェント、doda、ワークポート
- JACリクルートメント、キャリアカーバー
- リクルートエージェント、doda、マイナビエージェント、パソナキャリア
- JACリクルートメント、キャリアカーバー、ワークポート
このように、転職エージェントによって違いがあります。これらをあなたなりに組み合わせて使っていきましょう。
JACリクルートメントとワークポートを転職活動で利用させていただきました。
JACは登録の時に「希望に合う求人を厳選してほしい」と伝えましたところ、その当日こそ4つの案件を紹介されましたが、それ以降は1週間に1社程度に紹介のペースが落ちました。
紹介される案件は、私の希望にほぼほぼ適合しており、「ちゃんと厳選してくれているんだなぁ」と思ったものです。
ワークポートは違いました。
登録時、JACと同じように「厳選してほしい」と伝えると、数多く応募することの必要性を説明され、スピード重視で数十社に応募して書類が通ったところに注力していきましょうというような話でした。
応募自体はワークポートを通して履歴書などを送るだけなので面倒ではありませんでしたが、こういった考え方で応募することは企業に対しても失礼ではないかと感じたものでした。
しかし不思議なことに、結果的にはワークポートを通して応募した企業に転職することになりました。
明らかに好感していたJACではなく、疑問を感じながらも使わせてもらっていたワークポートのほうが、実際の私にはあっていたということなのかもしれません。
「応募してみなければわからない」というワークポートのコンシェルジュの一言が思い出されました。
評価:★★★☆☆|年齢:28歳|職種:営業企画
理由3 相性の合うキャリアアドバイザーに出会える
転職エージェントに登録すると、キャリアアドバイザーが担当としてつきます。転職エージェントのサポートは、このキャリアアドバイザーを介して提供されるため、キャリアアドバイザーが自分と合うか合わないかは極めて重要。
グイグイと引っ張ってくれるようなキャリアアドバイザーがいれば、傾聴重視のキャリアアドバイザーや、放任主義のキャリアアドバイザー、業界知識を豊富に持ったキャリアアドバイザー等、キャリアアドバイザーのタイプは多岐にわたります。
なお、転職エージェントごとにキャリアアドバイザーのサポート範囲は決まっています。そのため、キャリアアドバイザーの傾向は転職エージェントによりある程度は決まっているんです。
とはいえ、そこは人と人。実際にサポートを受けてみなければ、本当に自分に合うかどうかはわかりません。
万が一、キャリアアドバイザーが合わない場合は、転職エージェントにキャリアドバイザーの交代を要求することができます。メール一本で交代してもらえるため手軽ですし、キャリアアドバイザーの交代は転職エージェントにとっては日常茶飯事であるため、気兼ねなく交代依頼して問題ありません。
ですが、裏の話をすると、交代1、2回までであれば全く問題ないものの、交代依頼が3回以上ある求職者は、転職エージェント側からチェックされる可能性がありますよ。「神経質」「クレーマー」というイメージを与えてしまうということですね。
経験・スキルが魅力的な求職者であればキャリアアドバイザーの交代依頼を3回以上出されても商品価値が高いということから、転職エージェントは(表面上は)大切にしてくれます。
しかし、転職市場での価値が特段高くもないのに複数回の交代依頼を出してくるような求職者は、正直なところ距離を置かれる可能性があります。紹介数が減る、レスが悪くなる等ですね。
複数の転職エージェントを掛け持ちしていれば、(交代依頼含めて)多くのキャリアアドバイザーと出会えるチャンスが得られます。
良いキャリアアドバイザーと出会うことができれば、転職活動の半分は終わり、ともいわれるほど重要なキャリアアドバイザー。複数の転職エージェントに登録して、パパッと見つけてくださいね。
転職サイトとハローワークを使って転職活動をしていましたが、なかなか内定がもらえませんでした。
このままではだめだと思いまして、大手転職エージェントのデューダ、リクルート、パソナキャリアの3社に登録しました。
総務職での転職を希望していましたが、30代で家事との両立を考えていたということもありまして、デューダとリクルートの担当からは現実の厳しさを説明されて、総務職以外の仕事も考えるように言われました。
ところが、パソナキャリアの担当は私の事情をよく理解してくれて、総務職に絞った仕事紹介をしてくれました。
女性の担当だったということで、家事との両立ということについても共感してもらえたこともうれしかったです。
そうして無事に、パソナキャリアから紹介してもらった会社に総務職として転職することができました。
パソナキャリアの担当に会っていなければ、今ごろ他の仕事に転職する羽目になっていたかもしれませんし、もしかしたらどこからも内定をもらえていなかったかもしれません。
パソナキャリアの担当に会えた偶然に心から感謝しています。
評価:★★★★★|年齢:30歳|職種:総務職
転職エージェントを複数利用することのデメリット
転職エージェントを複数利用することは、良いことばかりではありません。デメリットもありますから知っておきましょう。
- 面談に行くのが面倒くさい
- スケジュール管理が大変
- キャリアアドバイザーの話す内容が異なり混乱する
デメリット1 面談に行くのが面倒くさい
転職エージェントのサポートを受けるには、Web登録後に面談を受けなければなりません。そのために転職エージェントのオフィスに行くことになります。
働きながら転職活動をする場合は、退社後の面談や、有給を使っての面談もありえるわけで、これが複数あると面倒だと思う人がいます。
でもですね、この程度のことで面倒だといってやらないのは損ですよ。面談=キャリアカウンセリングは受けるたびに新たな発見が必ずありますし、独占求人だって紹介してもらえます。
というかそもそも、この程度を面倒くさいと感じてしまうようでは、これからの転職活動はきついです、本当に。それほどタフでないと、満足できる転職結果は得られません。
デメリット2 面接スケジュールの管理が大変
複数の転職エージェントを利用すると、面接スケジュールの管理が少し大変になるかもしれません。
大手転職エージェントには、それぞれ応募企業や選考状況を一括で把握できるツールが用意されています。これを利用することで、その転職エージェントにおけるスケジュール管理は万全。
ですが、複数の転職エージェントで共用できるツールではないため、横断的なスケジュール管理はできません。結局は、自力で管理するしかない。
とはいえ、把握しづらいほどの数の面接が同時に入るほど転職活動は甘くないため、このことで実際に困ることはほぼほぼありません。
デメリット3 キャリアアドバイザーの話す内容が異なり混乱する
複数の転職エージェントを利用することにより、複数のキャリアアドバイザーからアドバイスを受けることになります。
この内容がアドバイザーにより違うことが異なることがあり、混乱してしまうかもしれません。
A社のキャリアアドバイザーは転職理由でパワハラのことを話していいと言っていたのに、B社からはやめた方がいいと言われた、みたいに。
ですが、大騒ぎするほどのことでもありません。
違うのであればそのまま、なぜ他社と違うのかすぐに聞く。そして、あなたが納得できる方の答えを信じて行動する。これで解決です。
自分でネットで調べようとしたりしないでくださいね。時間の無駄ですから。とにかく、疑問はすぐに聞いて解決してしまってください。
複数の転職エージェントの賢い使い方
複数の転職エージェントを賢く使う方法が3つあります。
- 複数掛け持ちしていることを伝える
- 選考状況の一覧を自作して全社に共有する
- 他社とのサポート比較を口にしない
方法1 複数掛け持ちしていることを伝える
転職エージェントを複数掛け持ちしていることは、各転職エージェントに必ず伝えてください。
伝えることで、あなたの転職意思の強さを伝えることができますし、転職エージェントの「本気サポート」も引き出すことができるからです。
転職エージェントは紹介した求職者が1名採用されることで、数十万~数百万円もの報酬を得ています。これを他社に持っていかれないように本気になってサポートしてくれるんです。
複数掛け持ち、必ず伝えてくださいね。
方法2 選考状況の一覧を自作して全社に共有する
選考状況の一覧を自作しておき、これを登録した転職エージェント全社にメールで共有しましょう。
これをしておくことで、応募が重複することを防ぐことができますし、各転職エージェントのキャリアアドバイザーに本気度を示すことができます。
なお、自作の一覧は難しく考えないでくださいね。次のように簡単なもので十分です。
- 株式会社○○企画 ○月○日応募
- 株式会社○○興業 ○月○日応募
- 株式会社○○商事 ○月○日応募 ○月○日面接予定
- 株式会社○○物産 ○月○日応募
- 株式会社○○貿易 ○月○日応募 ○月○日面接予定
ExcelやWordで作ってメール添付で送信でもいいし、手書きメモを写メするのもアリ。
あなた自身のスケジュール管理という側面からも有効であるこの一覧。ササッと作って都度、各転職エージェントに共有しましょう。
方法3 他社とのサポート比較を口にしない
意外に多いのが、サポート比較をキャリアアドバイザーに口頭やメールで伝えてしまうこと。「A社はここまでサポートしてくれたのに、おたくは~」というものです。
転職エージェントのキャリアアドバイザーも人間。仮にサービスが100%行き届いていなかったとしても、他社と比較されて悪く評価されることは気分のいいものではありません。
転職活動がうまくいっていないときなど、他人(特にキャリアアドバイザー)のせいにしたいという感情が出ることはわかります。
ですが、そうすることでキャリアアドバイザーのサポートが良化するわけではなく、むしろ距離を置かれるかもしれませんよ。
まとめ|転職エージェントを複数利用すべき3つの理由と賢い使い方
少し長くなったのでまとめます。
- 独占案件を紹介してもらえる
- 用途によって使い分けられる
- 相性の合うキャリアアドバイザーに出会える
- 面談に行くのが面倒くさい
- スケジュール管理が大変
- キャリアアドバイザーの話す内容が異なり混乱する
- 複数掛け持ちしていることを伝える
- 選考状況の一覧を自作して全社に共有する
- 他社とのサポート比較を口にしない
転職エージェントを複数使いこなして、希望の転職を叶えてくださいね。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。