ナマケモノ

転職エージェントの裏事情ってどうなっているのか知りたいな。使う身としてもうまく立ち回りたいし。

現役転職アドバイザーが、転職エージェントの裏事情を暴露します。この裏事情を踏まえ、転職エージェントの賢い使い方を具体的に解説します。

※この記事は3分程度で読み終わることができます。3分後、あなたは、転職エージェントの裏事情を見越した有効な活用法がわかっているはずです。

転職エージェントの裏事情と対策

Web登録に関する転職エージェントの裏事情と対策

転職エージェントへの登録はWebで行いますが、この入力内容は非常に重要です。なぜなら、Web登録時の入力内容から、転職エージェントはその求職者の転職市場価値を判断するからです。

Web登録時の入力内容で転職エージェントが特に重視するのは、年齢、キャリア、希望条件、転職希望時期の4つです。

まず、年齢相応以上のキャリアを有しているか否かについて、転職エージェントはチェックします。これにより、転職市場価値が高いか低いかの8割が決まります。

また、キャリアと希望条件(希望業種・職種)が合致しているかも見てきます。キャリアと希望条件が合致していない場合、転職市場価値は大幅に下がるからです。

ただし、仮にキャリアと希望条件が合致していなくとも、面談において実情を伝えて考え直すよう仕向けることができれば転職市場価値は回復します。この可能性に賭けて、キャリアと希望条件が合致していなくても、その求職者の転職市場価値を下げないという転職エージェントも存在します。

転職希望時期が遅いと、サポートの優先度は下がります。就業が決まらなければ転職エージェントは企業から紹介報酬を得ることができませんし、長期間の転職活動により転職そのものを思いとどまってしまう、つまり転職エージェントに1円の利益ももたらさない状況になってしまう可能性があるからです。転職希望時期が早いか遅いかの分岐点は3ヶ月です。

なお、学歴、語学、資格等は補助的な情報でありあまり重視されません。ただし、東大卒、TOEIC満点、公認会計士資格保有等、突出したものであれば別です。

Web登録に関する対策

転職エージェントの登録に関する裏事情への対策としては、次のとおりです。

Web登録時、少なくとも年齢に相応するキャリアであることをアピールすることが必要です。具体的には、年齢相応のキャリアではないもの(新卒から数年間の見習い期間等)は一言でまとめてしまい、最も職位の高い業務をメインキャリアとして具体的に入力するようにしましょう。

また、転職希望時期はどれほど遅くとも3ヶ月以内にしておきましょう。ベストは「今すぐ」です。ただし、完全な虚偽は後々のトラブルになるので厳禁です。

面談に関する転職エージェントの裏事情と対策

転職エージェントにWeb登録した後、キャリアカウンセリングと称する面談が行われます。この面談を受けないと、求職者は本格的な転職サポートを受けることができません。しかし、すべてのWeb登録者が転職エージェントの登録を促されるわけではありません。

面談は通常、1人のキャリアカウンセラーが求職者の面談します。1~2時間もの時間を要します。転職エージェントとすれば、面談は多大な手間と時間を要するものなのです。

よって、企業から採用される可能性が低い人材、つまり転職市場価値が低い求職者に対しては、面談を行わない転職エージェントがほとんどです。

Web登録後、「ご紹介できる案件はございません」というメールが転職エージェントから送られてきた場合は、残念ながら面談すら受けられない門前払いされたということです。

門前払いメールが来ない場合は、転職エージェントとの面談となります。そしてこの面談場所により、転職エージェントからどのように市場価値を評価されているのかがわかります。

基本的に、面談は転職エージェントのオフィスで行います。よって、転職エージェントのオフィスを面談場所として指定された場合は、その後のサポートを期待できます。

また、求職者の希望地で面接を行う場合があります。希望地というのは、例えば求職者の自宅近くのターミナル駅のカフェ等です。

求職者の希望地ということは、担当となるキャリアアドバイザーがわざわざ求職者の希望地に赴くということ。手間も時間もお金もかかるのです。なんとしてでも面談をしたいという転職エージェント側の現れです。

「弊社オフィスでの面談が難しい場合は、ご希望の面接場所をご指定ください」というような内容のメールが来た場合は、いわゆるVIP待遇を受けていると思っていいでしょう。キャリアにも大いに自信を持ってください。

スカイプなどのオンライン面談や電話面談を受け付けている転職エージェントもあります。オンライン・電話面談は対面での面談と比べると手間も時間もかかりません。よって、市場価値があまり高くない求職者の場合によく利用される手法です。

面談に関する対策

面談の設定のされ方から、転職エージェントが自分の市場価値をどのように評価しているかを把握できます。仮にA社で電話面談など塩対応されたとしても、B社では自宅最寄りのカフェでの面談を打診されるかもしれません。

最も高く市場価値を見積もってくれている転職エージェントとの付き合いを最重視するようにしましょう。手厚いサポートを受けることができるからです。

求人紹介に関する転職エージェントの裏事情と対策

ほとんどの求職者が複数の転職エージェントを掛け持ち利用していることは、転職エージェント側もわかっています。そこで転職エージェントは、他社に求職者を取られないためにも、求人消化をできる限り早い段階でしたいと考えています。

このようなことから、初回面談時に求人紹介をする転職エージェントは非常に多いです。

転職エージェントのキャリアアドバイザーは面談時にカウンセリングを行いますが、その場で求職者から発せられるキャリア詳細や希望条件は9割方、キャリアアドバイザーの想定内です。キャリアアドバイザーは、Web登録時の入力内容をもとに紹介案件を準備して面談に臨み、面談時に求職者に対して提示するのです。

万が一、Web登録内容と大幅に異なる情報が面談時に発覚した場合(例えば、希望条件が実際は異なっていた等)であっても、キャリアアドバイザーは面談中に案件紹介できるよう努めます。面談時に使用しているPCやタブレットを使って、別室の社員に追加紹介すべき求人案件を用意させ、面談内で案件紹介できるようこぎつけるのです。

キャリアアドバイザーにとっていち早く案件を紹介するというのは、それほどまでに重要なことなのです。

求人紹介に関する対策

転職エージェントからの求人紹介は、転職エージェント本位です。スピードを重視するあまり、希望とは異なる求人を紹介されることも多いです。このような場合に心がけることは、応募するか否かを焦って決めないということ。

また、なぜその案件を紹介したのか、キャリアアドバイザーに確認することも重要です。その求人案件に応募した場合、自分のどのようなキャリアが強みとしてアピールできるのか、今後のキャリアプラントどのように合致するのか等を確認しておきましょう。

書類対策に関する転職エージェントの裏事情と対策

転職エージェントも営利追及企業ですから、効率性を重視しています。転職エージェントのキャリアアドバイザーは、自分が手間をかけることなく、求職者が自ら応募書類を作ってくれることを求めているのです。

よってほとんどの場合、転職エージェント側が用意した職務経歴書作成マニュアルを求職差に手渡し、あるいはマニュアルをまとめたサイトのURLを求職者に教え、それに基づいて職務経歴書を作成するように指示します。

その際、職務経歴書作成に必要となる応募先企業の情報も、キャリアアドバイザーは求職者に提供します。こうすることで、実効性の高い職務経歴書作成が期待できるほか、一般論ではない高度な作成アドバイスを装うことができるのです。求職者の職務経歴書作成後、キャリアアドバイザーは添削をすることになります。

キャリアアドバイザーの立場から言うと、添削は意外と重労働です。私の経験上、添削なしでそのまま使える職務経歴書を作成してくる求職者は1割未満です。それほどまでに、職務経歴書作成は難しく、その分、キャリアアドバイザーの負担は増えるのです。

添削は一回で済むことはほぼなく、何回か繰り返されます。キャリアアドバイザー側の目標は2往復(添削回数2回)で終えること。それ以上の添削回数となるとつらいうえ、上司から怒られます(苦笑)

転職エージェントにとって最悪の求職者は、職務経歴書を一から作成してほしいという完全受け身姿勢の求職者です。このような求職者はあまりにも手間がかかるため、対応を後回しにする場合が多いです。あるいは、集団座学(職務経歴書作成セミナー等)に呼び、自分自身で職務経歴書を作成すべきであると方向付けするという方法をとることもあります。

書類対策に関する対策

転職エージェントに書類作成の一切を委ねたいという気持ちがあることはわかります。が、それでは転職エージェントのキャリアアドバイザーから距離を置かれてしまいます。よって、どこまで職務経歴書のサポートをキャリアアドバイザーに依頼するべきか考えなければなりません。

ところで、職務経歴書は応募先企業ごとに変える必要があります。なぜなら、応募先企業ごとに求めているキャリアが異なるからです。アピールポイントが変わってくるということですね。

そこで、応募先企業にどのキャリアをアピールした職務経歴書を作成するべきかを、職務経歴書作成前にキャリアアドバイザーに確認しておくことをおすすめします。そのアドバイスを反映した職務経歴書を大筋でもいいので作成し、その段階でキャリアアドバイザーに添削してもらいましょう。

一度完成させたものを添削により修正することは求職者にとって大変な労力がかかりますが、大筋レベルのものであればそれほどの労力にはなりませんから。

キャリアアドバイザーとしても、自分のアドバイスが素直に反映された職務経歴書を受け取った場合、添削・アドバイスの方向性が見えているため負担は少なくて済みます。求職者・キャリアアドバイザー双方にプラスなのです。

面接対策に関する転職エージェントの裏事情と対策

手間と時間をかけたくない転職エージェント側としては、面接対策では、マニュアルを渡して面接のポイントを把握してもらうだけで済めば最高と考えています。

その一方、面接対策は書類対策とは異なり、書面上でのチェックはできません。模擬面接をやらない限り、面接対策は完了しないのです。

よって、転職エージェントのキャリアアドバイザーは、1回だけなら模擬面接をしてもいいと考えています。これで、最低限の面接対策を講じることができるのです。

模擬面接後、キャリアアドバイザーは求職者に対して問題点を指摘して修正を促します。しかし、その修正点が改善できたかどうかのチェックまでする余裕は、キャリアアドバイザーにはありません。求職者任せとなってしまうのです。

なお、電話での模擬面接は、キャリアアドバイザーの手抜きです。模擬面接を実施したという事実だけを作るためのものであり、実際の面接ではほぼほぼ役に立ちません。

面接対策に関する対策

模擬面接を1回受けたとしても、その後、再度の模擬面接が設定されることはほぼありません。面接対策の最終局面までは、キャリアアドバイザーは付き合ってくれないため、万全の態勢で面接に臨むことは難しいという現実があります。

この点、次のようにすれば、キャリアアドバイザーの模擬面接を最大限に生かすことができます。

まず、模擬面接の時点で完成度の高いプレゼンテーションができるように準備しておきましょう。想定問答をまとめ、自分の言葉で話せるようにしておきましょう。また、模擬面接前に、応募企業特有の想定質問についてキャリアアドバイザーに教えてもらい、模擬面接時にそれらに対して回答できるようにも準備しておくのです。

模擬面接を受けてから改善しようと考えてはダメです。模擬面接は最終チェックととらえ、模擬面接で最高のパフォーマンスを発揮できるように準備することがポイントです。

条件交渉に関する転職エージェントの裏事情と対策

条件交渉により応募者の予定年収が上がれば、それだけ転職エージェントの報酬額が増えます。よって、転職エージェントのキャリアアドバイザーは、自分自身のためにも条件交渉を成功させたいと考えています。

しかし、企業に希望条件を飲んでもらうためには、次の2つの条件があります。

  • 企業との良好な関係性
  • 企業に対して強気に売り込めるような応募者のキャリア・スキル

この2つが備わっていない場合、条件交渉は厳しいです。

とはいえ、キャリアアドバイザーとしては、条件交渉を通したという実績を応募者に示したいもの。なぜなら、条件を通してもらったという負い目を応募者側に感じさせることで、応募者から内定キャンセルを言い出せないようにしたいからです。

そこでキャリアアドバイザーは、企業との条件交渉前に、応募者にあることを提示します。それは、確実に通せそうな条件を最低条件として示すということです。これにより、本来の希望条件を通せなかったとしても最低条件を通したということで、応募者に対し、なんとか条件交渉を成功させたと印象付けることができるのです。

応募者は、自分の希望条件は通らなかったものの、キャリアアドバイザーの交渉によって最低ラインはクリアしてもらえたと考えます。仮にあまり良くない条件であったとしても、キャリアアドバイザーに恩を感じて内定キャンセルができなくなってしまうのです。

条件交渉に関する対策

転職エージェントから希望条件の最低ラインが提示された場合、おそらくはその最低ラインあたりで条件が決定しそうだということを認識しましょう。

これが不満であれば、提示された最低ラインを引き上げてください。こうすることでキャリアアドバイザーはより本気の交渉をさせざるを得なくなります。

ただし、引き上げた最低ラインが現実と乖離している場合は、不採用となってしまう可能性があることは理解しておきましょう。

入社後のフォローに関する転職エージェントの裏事情と対策

転職エージェントは、求職者を企業に紹介して採用されれば報酬を得ます。その額は、予定年収の3割ほどが相場です。例えば、想定年収600万円の雇用契約が結ばれた場合は、180万円が報酬として転職エージェントに入ります。

しかし、この転職者が短期間で退職することになった場合は、転職エージェントは企業側に対して全部または一部の報酬を返金するという契約になっていることが通常です。

転職エージェントのキャリアアドバイザーはこのようなことを避けるため、紹介した転職者に対して状況確認の連絡を入れるのです。

職場環境や仕事内容等に問題があり、短期間での退職が想定される場合であっても、返金対象となる期間(3ヶ月~6ヶ月以内が通常)は辞められるわけにはいきません。そこで、あの手この手を使って転職者をなだめるのです。

入社後のフォローに関する対策

転職後、就業を継続できないような事態になった場合、転職エージェントのキャリアアドバイザーは親身になってくれているように接してきます。

このようなキャリアアドバイザーのサポートを利用したいところですが、仮に、キャリアアドバイザーに不満を伝えて職場に改善要求を出してもらったところで、より一層会社に居づらくなってしまう可能性が高い。

よって、転職後のキャリアアドバイザーのフォローはあてにするべきではありません。

とはいえ、完全にキャリアアドバイザーを拒絶するのはあまりにもったいないです。キャリアアドバイザーと長期的な信頼関係を構築できれば、キャリアアドバイザーを通して取引先を紹介してもらうなどビジネスチャンスが広がる可能性が多いからです。

一人のビジネスパーソンとの関係性構築という意味で、キャリアアドバイザーのフォローに対しては丁寧に対応しておいたほうがいいでしょう。

結局、転職エージェントは使うべき?使わないべき?

結論から言えば、使うべきです。

これまで見てきた通り、転職エージェントには裏事情があります。しかし、彼らの行動ベクトルは、求職者のそれと同じ。つまり、転職成功という結果が、転職エージェントと求職者双方の利益になるのです。

転職エージェントは本気になって求職者の転職成功を考えて動きます。ということで、転職エージェントは使いましょう。裏事情を踏まえて、上手に。

なお、おすすめの転職エージェントについては、次の記事にまとめていますのでチェックしておいてくださいね。

本当におすすめできる転職エージェント【年代別×年収別】

この記事があなたのお役に立てれば幸いです。